第二章
「って何考えてんだろ……」
ルーティは一人、苦笑を浮かべて。
――見た目が青くないから“蒼”ってのはおかしい、とかそんなのはどうだっていいじゃないか。頭を休ませようよ、自分。
「どうした」
ウルフは怪訝そうに訊ねるが、ルーティは何でもないと首を横に振って。ウルフと向き合い、嬉しそうに笑いながら。
「ううん。……楽しみだねっ、バカンス」
島に着く頃には全員目覚めていて、飛行機はようやく空港に辿り着いた。
早速、飛行機から下りて外に出てきたルーティは、大きく息を吸い込んで。――海の匂いがして、潮風が頬を撫でる。
「此処らの海は綺麗なようだ」
珍しく声をかけてきたのはオリマー。
「……見ただけで分かるの?」
「ああ」
オリマーは眩しい太陽を見上げて。
「こうやって一望しただけでも、いくつもの星を見てきたのだから、環境汚染が進んでいるか否かは直ぐに分かる」