第二章
この男は、島に何を求めているのか。
まあ、確かにこの島は形が水瓶みたいってだけで、他は何ら変わりのない島である。
ちなみに、この島がアクエスと呼ばれるのも、お察しの通り島の形が水瓶に似ていることから、水瓶座の英訳、アクエリアスを取ってきていることが分かる。
「……あれっ」
ふと、ルーティはとある疑問を抱いた。
アクエスは、蒼の孤島と称される島……二つで一つだから孤島という説明がつくにしても、この島は決して青くはない。
寧ろ、島の大半を緑が覆っているのだから緑の孤島、と称する方がしっくりくる。
……それを名付けたのが年寄りなら、緑を青だと言った場合もあるが、それなら蒼穹などの“蒼”ではなく、あおともみどりとも読める“碧”と表記するような。
そう気付いたのは僕だけじゃないはず。
それなのに誰も何も言わないのは、誰もがこの島を青いと認めたから……?