第一章



「っこいつ!」

事態に気付いたもう一人の男が、カービィに銃口を向ける。しかし、発砲されるよりも早くカービィは男に詰め寄って。


パンッ


銃声。しかし、目の前まで来ていたはずのカービィの姿がそこには無く、男は銃を構えながら慌てて辺りを見回して。

「こっち」

ふと、頭上に影が差して。

男が見上げると、そこには飛び上がったカービィの姿。声を上げるよりも早く、カービィは脳天目掛けて踵落とし。

「な……っあ、強すぎる……」

男はぽつりと呟き、その場に横たわる。

カービィは床に片手を付いて着地すると、ぱんぱんと手を叩いて埃を払いながら。

「強い?……当たり前じゃん」

腰に手を当て、見下ろしながら。

「だって、X部隊だし」

決め台詞。そして、拍手喝采。これで事態は落ち着いたかのように思えた。
 
 
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