第二章
「なあ、兄ちゃん」
どうやら前の席にはリンクとトゥーンが座っているらしい。聞こえてくるトゥーンの眠そうな声に、ルーティは耳を傾けて。
「何ですか?」
「アクエスって、例えるならアクアマリンのように真っ青で、綺麗な島なんだろ?」
リンクは微笑を浮かべて。
「そうですよ。……でも、着くまではまだ時間がありますから」
「それってどれくらい?」
「六時間ちょっとです。どうでしょう? それまで少し、眠ってみては」
優しい声音でそう告げて、リンクはトゥーンの髪を撫でる。トゥーンは眠そうに欠伸を洩らし、リンクに寄り添って。
――六時間ちょっとか。そうなると、あっちに着くのは昼過ぎ頃になるだろうか。
「ふあ……」
ルーティは欠伸を洩らすと、既に隣で眠っているらしいウルフに体を預けて、眠りに誘われるままに静かに瞼を閉じた。