最終章
……なぁんて。こういうものは大抵外だと相場が決まっているのだ。
そうして廊下を歩いた先の玄関から外に出たルーティは外の様子を目に驚いた。いつの間にか陽が沈んで辺りは真っ暗だったのである──夏は昼の時間が長いなんてよく聞かされていたのにこうも時間を忘れて過ごしていたものだとは。
ひとまず高い所から見渡した方が幾分か探しやすそうだ、等と考えながら傍に生えていた木によじ登って別荘の屋根に飛び移る。我ながらこの運動神経は惚れ惚れするな──なんて自画自賛とここまでの流れにデジャブを感じていたその時。
「──誰だッ!」
それみたことか。
「ひっ」
怒鳴りつける勢いの大きな声に脅かされて。
「ぁ、あっ、わばばっ」
外側へ向かってよろめいて。右へ左へと重心を移しながら何とか踏ん張ってはみたけれど意地悪く吹いた風にトドメを刺されて。
「……わ」
真っ逆さまかと思いきや今度は腕を掴まれた。
「ったく」
不機嫌な声が降りかかる。
「テメェも少しは学びやがれ」