最終章
ファルコンとオリマーは顔を見合わせて。
ふっと笑みを浮かべる。
「そ、そんな風に思ってないよ!」
「はい吃ったー」
「うわぁっ!?」
噂をすれば。
「レッドは嘘が下手ねえ」
呆れ顔のシフォンにローナがうんうんと頷く。
「もっと言ってやれ」
「天然!」
「おばかさん」
「ち、ちょっと──」
騒ぐ音や声に混じって扉の開く音。
「……あれ」
「なぁに誤魔化そうとしてんのさっ」
「じゃなくて」
レッドが指をさした先。
「およよ?」
灰色の尻尾が食堂の外へ吸い込まれて。
「ウルフじゃねぇか」
「人酔いでもしたのかねえ」
「煙草じゃないかしら」
レッドはうーんと顎に手を添える。
「気になるかい?」
「いや、……ううん……そうだね」
言えば早速行動に移そうとするのだからレッドは慌てて「待って!」と三人を呼び止めた。
「なんだいなんだい」
「落ち着かねえ奴だな」
「早くしないと行っちゃうわよ」
「そうだけど」
レッドは人差し指を立てながら。
「行くのは、俺たちじゃなくて──」