最終章
ああ。やっぱり駄目みたいだ。
「あはは」
誤魔化すように笑うのも。
ぽたぽたと零れ落ちる透明な粒も。
情けない。
「……ありがとう……っ」
あーあ。やられちゃったなぁ。
こんな時まで。
格好が付かないなあ……
「おにぃ……」
思わぬサプライズに感極まってアルバムを抱き締めながら泣いてしまうルーティにピチカも釣られて両目を潤ませる。変に茶化すことなく寧ろ同じように釣られて鼻を啜る音があちこちで聞こえる中見兼ねたリムが進み出た。
「んもー泣かないの」
ハンカチを取り出して涙を拭ってやればそれにも感激したのかルーティは「ありがとぉぉ」と情けない鼻声で感謝を伝えながら甘えて鼻を噛んだ。
「あーもうさっさと料理食べよっ!」
「お前泣いてんじゃん」
「るっさいなー」
痺れを切らせたカービィがわざとらしく声を上げたことにより糸が切れたように室内は活気を取り戻す。ルーティはアルバムをじっと見つめた。
「よーし! カラオケ大会始めるぞー!」
「待ってましたああ!」
一生の宝物になりそうだ。
「ルーティも歌おうぜ!」
「ええっ……ぼ、僕はいいよ……!」
「恥ずかしいのか?」
「じゃあ一緒に歌おうよ!」
子ども組に囲まれてルーティは笑う。
「……うんっ!」