最終章
……夢でも見ているのだろうか。
「ありがとう」
何だか頭がすっきりとしている気がする。
「開けてもいいの?」
「……おう」
流石の彼も向けられ続ける無垢な視線に堪え兼ねたのかふいと目を逸らしてしまったが対するルーティは構わずにテープを丁寧に剥がして包装紙を取り払う。再び歩み寄ってきたピチカがそれを受け取ってくれたので「ありがとう」とお礼を述べつつ包装されていたそれを見ればどうやら一枚のアルバムのようだった。
「頑張ったんだよ!」
ピチカが横でアピールする中でルーティはアルバムを開いてみる。見覚えのある写真もあればいつ撮られたのか分からない写真まで。写真には必ず自分の姿があり一緒に写っている人物がいればその本人が手書きでメッセージを添えている。例えばマリオと一緒に写っている写真にはその横の吹き出しの中にマリオからのメッセージが書いてあったり──この手のことは苦手そうなクッパやガノンドロフからも短いながらもメッセージがあるのには驚いた。
順に捲っていけば、やがて行き着く。
「ウルフが一番時間掛かったんだよなー」
「そうそう」
ディディーとトゥーンが口々に。
「そんなに恥ずかしいことでもないでしょうに」
「思春期なんですよぉ」
「うるせえな」
『パートナーでいてくれて、ありがとう』
「思ったより反応薄くありません?」
リンクが気付いたように言った。
「誕生日別の日でしたーとか言わないでよ」
「言い出したの誰だっけ?」
「すぐそうやって犯人探しする……」
「その場合は連帯責任だろう」
わいわい。がやがや。
「……おにぃ?」