第一章



「次、俺がやる!」
「まあ待てって。俺がコツを掴んだら」
「恥さらしはやめてください」

睨み合う二人の間に割って入り、帯を取り上げたのはリンク。ディディーとトゥーンは不服そうに唇を尖らせ、見上げて。

「ディディー! トゥーン! ええ浴衣あったけぇ、こっちに来ぃやぁー!」

リンクが溜め息を吐き出したそのタイミングで、ドンキーが試着室の方面から二着の浴衣を掲げ、呼びかけて。

ぱたぱたと駆けていくディディーとトゥーンの後ろを、リンクはふっと仕方なさそうに小さく笑って、ゆっくりついていく。

「ルーティ!」

せっかく微笑ましそうに後ろ姿を見送っていたのに、邪魔するように大声で名を呼んで飛びついてきたのはフォックスである。

……どうしてここの連中はこうも神出鬼没ばかりなのか。心臓に悪いったら。
 
 
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