第一章



ルーティとカービィは顔を見合わせて。

「ご指名だよ。どうする?」
「どうするも何も、これが仕事だし」
「何を喋っている! 早くしろ!」

男が怒鳴り声を上げると、カービィは大袈裟に溜め息を洩らして前髪を掻き上げる。

「――まっ」

とんとん、と靴を履き慣らして。

「冷房効いてるし、頑張りますか」

小さく笑みを溢した次の瞬間、カービィは駆け出していて。男は舌打ちをして銃を構え、狙いを定めると連続して発砲。

しかし、カービィはそれをひらひらと舞うように躱すと、男の懐に潜り込んで。

「なっ」
「はい残念。下手すぎ」

カービィはぽつりと告げると、男の顎目掛け拳で下から上へ、飛び上がるようにして殴り付けて。よろめいたところで素早く側面に回り込み、回し蹴り。

「うわぁー……痛い」

蹴りがしっかり急所に入り、倒れ込む男を前にルーティは顔を顰め、呟いて。
 
 
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