最終章



……外食かぁ。

「不満があるなら口で言え」
「いえ別に」

言わせてくれないくせに。

半ば追い出されるかのような形で別荘を後にしたルーティはなんとウルフと一緒に歩いていた。朝だと言ってもこの暑さ。コンクリートの地面が足下から体を焼いてくるかのような感覚に空からは太陽からの熱い視線がさんさんと。この島で遊ぶぞと意気込んでいた時はやれ海だ祭りだと騒いでいたがただ歩くだけとなると苦行そのものでしかない。ホットサンドになりそう。

「どこに行くの……?」

のぼせそうになりながら聞けば無言である。珍しく誘ってくれたかと思えばまさかこの人何も決めていなかったのでは。それはそれとしても外食だなんて絶対に安くないぞ観光地は。海の家とかお祭りとかでも思ったけど。

「軽いモンでいいだろ」

かと思えば口を開いた。会話が途切れると今度は暑さばかりが気になってしまうので助かる。

「喫茶店とか?」
「コーヒーでも飲むのか?」
「えー飲めないよ」
「だろうな」

おい。

「あっアイス」

ルーティは道端のアイスクリーム屋に気付く。

「ね、あれ食べようよ!」
「後にしろ」
「今食べたいのに」
「だからテメェは子供体型なんだよ」

そこまで言う。
 
 
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