第一章
「……次、皆に迷惑かけたら」
ふと、レッドの表情に影が差して。
「海底に沈めるよ」
その時のレッドの声ときたら、普段からは想像も出来ないような低声で。ネロは顔を引き攣らせ、必死に何度も頷いて。
レッドはそんなネロを暫く見つめていたが、不意にいつもの笑顔に戻るとそれ以上は何も言わずにネスとリュカの元へ。
これにはさすがのローナとシフォンも青ざめている。普段はにこにこしているので、衝撃的だったのだろう。
「シフォンの毒舌は奴に似たんだな」
ぽつりとユウが呟く。
納得。ルーティが苦笑を浮かべているとローナが歩み寄り、ルーティとウルフがそれまで持っていた水着を取り上げて。
「浴衣、まだなんでしょ?」
にこりと笑って。
「会計は僕らに任せて、行ってきなよ!」