第八章



鳥居をくぐって砂利道を一列になって歩いていく。

次第に辺りの木々が茂ってきた頃、問題の分かれ道に出た。一方は祭壇への道で、不気味に影を落としている。もう一方は……

「oh……」

ソニックもこの反応。長く人の踏み入ることがなかったのだろう、もう一方は除草すらされていない獣道だった。一度踏み込めば脹ら脛に何かしらの虫がくっ付くんじゃないかと疑ってしまいそうな草の生え様。何となく、気が引ける。

「お、おにぃ。別の道は無いのかな……」

ピチカは女の子だ。支度はしているが汚れるのは嫌なのだろう。

でもだからといって他の道があるだろうか。……いいや。此処だと言われていない道を素人が進むのは危険すぎる。携帯は念のため持ってきているが電波が通じない場所だってあるだろう、だとすれば迷いなど不要だ。

「……ええっ!?」

間を置いて踏み出したルーティにピチカが驚きの声を上げた。

「もっと他に良い道があるかもしんないよ!?」
「多分ここしかないんじゃないか?」

余計なこと言わなくていいの、と言わんばかりにピチカはソニックを睨みつける。

「単純な話。マシな道があったとして案内くらいあるはずだからな」
「僕も思ったんだ」

そこでルーティが取り出したのはパンフレット。

「このパンフレットの何処にも高台に関する案内は無かった」
「……ということはそれ、誰もオススメしてないってことになるよね?」

結び付く。この先、どんな危険が待っているかもしれない。

ソニックも遅れて踏み出したが、ピチカはあうあうと足を迷わせている。

「……ピチカ」

僕としても出来れば怪我をさせたくないんだけどな。

「どうするの?」
 
 
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