第八章



ピチカが仲間になった!……強制的に、だけど。

「おにぃだけずるいよ。一人で大冒険なんて」
「じゃあピチカもアクエスのことが?」
「ううん。全然?」

ぐっと拳を握って。きらきらと眩しい眼差し。

「だってかっこいいじゃん!」

……子供の発想だなあ。

ま、何とかの森っていうゲームだって一人より二人、二人より三人、なーんて謳ってたし少ないよりは多い方がいいのかも。何たって大冒険だし!

「よお。二人で何処に行くんだ?」


まさかソニックにまで見つかる羽目になるとは。

「ピチカ、本当にその服でいいの?」

玄関でとんとんとブーツのつま先で床を叩いて履き慣らすピチカの服装は、普段と然して変わらない如何にも女の子らしいといった服装だ。全く、何処を歩くことになるかも分からないというのに。まあ、それも確かに可愛いんだけど……

「大丈夫っ!」

ピチカは扉に手を付いて背中を向けると片足を後ろへ、ブーツの裏を見せて。

「ほら、ブーツ低いでしょ? それに今日はストッキングだし!」

ソニックは靴の紐を締めながら。

「そういうとこ。エミーに似てるんだよなぁ……」
 
 
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