第一章
結局、その試着室は大破。
「はー、びっくりしたぁ」
とはいえ、隣の試着室は奇跡的にも無事だったので、ルーティとウルフはそれぞれの水着の試着を済ませて。
「ろ、蝋燭プレイの強化版……けほっ」
「酷い目にあった……」
当然、ユウとリオンの二人は黒焦げ。
ネロは自分は悪くないのだと言いたげに腕を組み、ふんと鼻を鳴らしそっぽを向く。
「ネロ!」
大きな声で名を呼ばれ、ネロの肩が跳ねた。恐る恐る振り向いてみると、そこにはネスとリュカを連れたレッドが居て。
どうやらレッド、ネロが試着している間にネスとリュカの面倒を見ていたらしい。
「お、俺は悪くねえよ! この二人が無理矢理……だから、もう少し穏便にだな」
必死に弁解するネロだったが、早足で歩み寄ってきたレッドに両肩を掴まれて。