第八章
◆第八章『迫れ! アクエスの秘密!』
蒼の孤島アクエス。
レイアーゼから六時間ほど離れた先、海の上に浮かぶ常夏の島。リゾート地として有名。法が厳しく、指定された航空機以外での島の出入りは禁止されている。
僕たちX部隊は今回、本邸にスピカ率いる敵集団ダークシャドウを替え玉に置いて、一週間のバカンスにやって来た。海水浴、夏祭りと様々な経験を迎えて。
そして今、僕は考えている。
――このアクエスが“蒼の孤島”だと称される理由を。
「ルーティ!」
別荘に帰ってくるなり、フォックスが出迎えた。
「うわっ」
少しだけよろめいて踏みとどまる。浴衣を着込んで祭りに出向いたかと思えば、誰よりも遅く帰ってきたのだから心配して当たり前か。それというのも、ある目的の為に通りを外れ、近場のコンビニへ出向いていたからなのだが……
「何処に行ってたんだ! こんな時間まで!」
「あはは……ち、ちょっとね」
フォックスははっとして青ざめる。
「ま、まさかルーティ……悪いお兄さんに口止めされて……」
相変わらず心配性だ。
「そんなわけないでしょ!」
否定しながら、手持ちの買い物袋をさっと後ろに隠した。