第七章
暫くしてワリオとヨッシーは立ち止まる。
「ううぅ……」
道の先には二つの白い影。
「らぁぁ……」
はて。これはどうしたものか。
「めぇぇ……」
「いつまで続くんだ」
白い布を頭から被って現れたのはネスとリュカだった。まあ、よくあるお化けに扮したつもりなのだろう。超能力を使ってこっそり浮いているので足は見えない。
「可愛らしいですねえ」
どうだ怖いだろうとばかりに周りをふわふわと浮遊する彼らに、ヨッシーは小さく笑みをこぼす。一方でワリオは鼻をほじった小指にふっと息を吹きかけると、二人を無視して歩きだした。が、それをさせないのがヨッシーである。
「ワリオさぁん?」
がし、と甚平の首後ろを掴んで。
「親しき仲にも礼儀あり、という言葉があります」
ワリオはふんと鼻を鳴らす。
「知らん。離せ」
「怖がってください」
「は?」
「怖がってください?」
影の差した顔でにっこりと。――迫る。
「は、はっはは……こ、怖いなー」
「もっと感情込められますよねワリオさん?」
「うわぁ……」
「やめたげてよぉ……」
逆に怖がるネスとリュカなのであった。