第七章
次に歩いてきたのはワリオとヨッシーだった。
どうして彼らがパートナー同士なのか、疑問が溢れる。特別仲が良いのかと訊かれればそうではないし、性格も善と悪、まるっきり逆では合わないようなものだ。
「ワリオさんってゲーム会社の社長さんやってるんですねぇ」
「ふん。関係ないだろ。話しかけるな」
こんな具合に。ヨッシーが話しかけたところでワリオはこれである。
正直、釣り合わないのだ。端から見ているとヨッシーが不憫に思えてくる、というのが周りからの意見。全くその通りなのだが、パートナーを変更するかどうかは結局、彼ら自身の意思によるものなのだ。
それは例え、リーダーであるルーティといえど口出しはできない。だがしかしルーティの意見は周りと少し違う。それというのも彼の場合、彼らがパートナー同士であることについて賛成派だったのだ。もちろん、能力云々という話ではない。
「食べ物のゲームってあるんですかぁ?」
「……ステーキを切ったり、林檎を握り潰したり」
「えー食べれないんですかぁ?」
こういった何気ない会話の中に。
「貴様はいつもいつも、食べることばかりだな」
呆れた声の中に。
「はい。だから食べれるゲームも作ってくださいねぇ」
温もりは隠れている。
「……視野に入れてやるか」
ワリオはぽつり。
「どうせならチョコレート味がいいですねぇ!」
「……は?」
「でも、ゲームって高いですし。その辺どうなるんでしょう」
遅れて微妙に話が噛み合ってないことに気付いたワリオ、
「んなモン作れるかッ!」
「ですよねぇー」