第七章
次に歩いてきたのは、最年少コンビのこの二人。
「だ、大丈夫……何も出てこない、から……」
既に震え声。恐る恐る足を進めるのはネスとリュカである。
「いいか? 少しでも気配を感じたらダッシュで逃げるんだ」
「に……逃げ切れるの……?」
涙目で見つめるリュカに、多分だなんてそんな半端な返しはできない。
「お、俺は昔それで、幽霊を上手く撒いたことがある」
「気配だけで? もしかしたら幽霊じゃなかったかもしれないのに……?」
「余計なこと言わなくていいんだよっ」
ネスはリュカにでこぴん。
「ご、ごめんなさい」
その一方で少し先の茂みで待機するマルスとアイクは悩んでいた。今までは保護者がいたので怖さも半減されていただろうが、今回は両方が子供。
あまり酷く脅かしては泣かせてしまうかもしれない。肝試しといっても楽しむ為にやってることだし、トラウマにさせたくないというのが本音である。
「無難にこれかなぁ……」
マルスは真っ白な布を手にうーんと唸って。
「それじゃ驚かないんじゃない?」
「今時の子供はタフですから。いっそ落ち武者にしてみてはいかがでしょう」
カービィやリンクが両端から覗いてアドバイス。
「それは失神するんじゃないかな……」
「……マルス。来たぞ」