第一章



「試着、じゃあないよね?」

ルーティはウルフの手を離して近付き、声をかける。すると、シフォンは後ろの試着室を指差して、にこやかに。

「待ってるの」

ルーティとウルフは顔を見合わせ、疑問符を浮かべる。よく見れば、試着室の前には靴が一足、ではなく三足。

でも、何でわざわざ同時に三人も……?

「離せ! 着たくない!」

試着室も一瞬飛び上がるほどのこの声量。

発言から、何がどうしてこのような事態を招いたのか理解した。ルーティとウルフはもう一度顔を見合わせた後で、共に試着室に歩み寄り、ゆっくりと扉を開く。

そっと、隙間から二人が覗いてみると。

「試着室で拘束レイプ……わ、悪くない」
「語弊を招くような言い方をするな」

案の定。

ユウがネロを羽交い締めにし、リオンが服を脱がそうと悪戦苦闘しているのだった。
 
 
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