第七章
「……あれ」
その時、懐中電灯の電池が切れてしまったのか数回の明滅を繰り返した末、明かりが消えてしまった。ピットは慌てて、
「な、まさかハズレ!?」
「……のようだ」
ついてないな、とロイは溜め息。
「うぅ……なんか出そうな予感……」
「饅頭握り潰すなよー」
――ふと、背後に気配を感じて。
「……ロイ」
「い、いや。気にしないで行こう」
ぐさぐさと背中に突き刺さる、視線。
「ロイィー……」
「ああもう! 分かった。せーの、だ」
ついに二人は立ち止まって。
「……せーのっ!」
同時に、振り向く。
そこにいたのはクッパとガノンドロフだった。特殊メイクもなく、ただ単純に懐中電灯の明かりで、下から顔をライトアップ。
「いぃやああぁあ!?」
たったそれだけのことなのに、ロイとピットは悲鳴を上げて全速力で逃げ出した。
クッパとガノンドロフは顔を見合わせる。
「なんだ。もう逃げたのか」
「これだけのことで恐れを成すとは」
「いや怖いわ」
茂みからマリオ、突っ込み。