第七章
もう少しで祭壇。と、その時である。
「くくっ……」
不適な笑い声。ピーチは足を止め、警戒心を高める。やがてその周辺に、赤や緑の光をぼんやり灯した玉が浮かび上がって。
「ぴっ……ぴ、ピーチ……!」
ゼルダはもう既に涙目である。
「マリオ! いるなら出てらっしゃい!」
「お前も絵にしてやろうか……」
「願い下げ! 誰が」
気配。ピーチは途中で台詞を切ってゆっくりと振り返る。サムスは怪訝そうに視線を返したが、彼女の後ろには。
「ふふ、ふ……」
頭からだらだらと血を流し、不適な笑みを浮かべて首を傾けるルイージの姿が――
「っきゃー!?」
ごつっ、と鈍い音。
「ルイージィィ!?」
会心の一撃。力なく倒れるルイージに、草影から飛び出したマリオは慌てて駆け寄った。サムスは小さく息を吐き出して。
「お、脅かす方がいけないのよ」
「だからって岩石はないわね」
「ないですわ」
サムス、無言。