第七章
「ひいっ!」
林の中、涼しい風が吹き抜けて茂みが揺れれば、ルイージは大袈裟に声を上げ、より一層強くマリオの腕にしがみついて。
「お前、いつだったか鼻唄歌いながら立派な屋敷で掃除機かけてた癖に……」
マリオは溜め息。
「そんな僕が家政婦みたいに」
その時、木の枝から吊るされていた蒟蒻がルイージの顔面にちょうど張り付いて。
「ひぃやああぁあ!?」
「静かにしろ」
すかさず懐からハリセンを取り出し、悲鳴を上げるルイージの頭に一撃。
「ひ、酷いや兄さん……」
「叫んだら呼んでるのと一緒だぞ」
打たれた箇所を押さえながらその場に屈み込むルイージに、マリオは改めて溜め息。
「……ん?」
その時、林の向こう側に光を見つけて。