第七章
「そ、そんなの絶対やだ!」
真っ先に声を上げたのはピチカである。
「お化けなんて見たくないもん!」
一理ある。今日はせっかくの夏祭りなのだから、百歩譲ってお化け屋敷だろうに。
「リムだって嫌だよね!?」
「えぇと……」
袖を引かれ、リムは苦笑い。
「ピチカ殿」
そこでリオンが、妙に珍しく真剣な顔付きをするのだからさすがのピチカも怪訝そうにじっと見つめ返した。
「……戦士たるもの」
リオンはその瞳に強い意志を宿して。
「見えない敵に恐れを抱くな」
その場がしん、と静まり返った。
「あっ、でも見えない敵を相手に感じてびくんびくんしてるのは大歓迎です」
「貴様と一緒にするな」
すかさず、ユウが回し蹴り。