第一章
「海パンとか履きそぉー!」
「うわっ」
神出鬼没。
ルーティの後ろからひょいと顔を出したのはカービィである。驚いたルーティは、声を上げてウルフの後ろへ避難。
「は、履かないもん」
「ルーティはそうかもしれないけどさぁ」
海パンなんてウルフには似合わない。
咄嗟に否定するルーティだったが、カービィはニヤニヤしながらウルフを見つめて。
「う、ウルフ……」
履かないよね? というか履かないで。
そんな思いを込めて、ルーティは潤んだ瞳でウルフをじっと見つめる。ウルフはそんなルーティの視線に気付き、溜め息。
「……履かねえよ」
よかった。
ルーティはぱあっと表情を明るくすると、ざまあみろとばかりに赤い舌を出して。
カービィ、つまらなそうに舌打ち。