第六章
これはこれで解決、かと思いきや。
「ちょいとお待ちよお二人さん」
次はどの屋台を回ろうか、とルーティがウルフと歩き出そうとしたその時、ローナがさっと正面に回り込み、引き止めた。
「確かにこの勝負、何も賭けてないさ」
ローナはふふんと笑って。
「が、勝負に犠牲は付き物。これはもはや、暗黙の了解と言っても過言ではないね」
「……えーと」
まさか、とは思うが。
「つまり、僕には! 負けた君に何らかの命令を下す権利があるのだああっ!」
やっぱりか!
「さぁて。どうしてくれよう……」
にやにやと笑う彼女はさながら悪役代官のようである。ルーティは思わず、ウルフの後ろにさっと隠れて警戒。
「よーし! ならば一人でお化け屋敷に」
「それには及ばないな」
そこへたまたまなのか、現れたのは。
「ちょうど似たような行事を提案しようと思っていたのでな……というわけで!」
リオンはにこりと笑って。
「全員、蒼ノ宮神社に集合だ!」