第六章



これはこれで解決、かと思いきや。

「ちょいとお待ちよお二人さん」

次はどの屋台を回ろうか、とルーティがウルフと歩き出そうとしたその時、ローナがさっと正面に回り込み、引き止めた。

「確かにこの勝負、何も賭けてないさ」

ローナはふふんと笑って。

「が、勝負に犠牲は付き物。これはもはや、暗黙の了解と言っても過言ではないね」
「……えーと」

まさか、とは思うが。

「つまり、僕には! 負けた君に何らかの命令を下す権利があるのだああっ!」

やっぱりか!

「さぁて。どうしてくれよう……」

にやにやと笑う彼女はさながら悪役代官のようである。ルーティは思わず、ウルフの後ろにさっと隠れて警戒。

「よーし! ならば一人でお化け屋敷に」
「それには及ばないな」

そこへたまたまなのか、現れたのは。

「ちょうど似たような行事を提案しようと思っていたのでな……というわけで!」

リオンはにこりと笑って。

「全員、蒼ノ宮神社に集合だ!」
 
 
 
38/38ページ
スキ