第六章
「ふ、普通に負けた……」
結果は分かっていたものの、がっくりと肩を落として溜め息を吐き出すルーティ。
「ほんまにやりおった」
「ネロがいないとこうだからね……」
レッドは申し訳なさそうに苦笑。
「あーあ。袖、濡れてんやん」
ドンキーは落ち込むルーティに近寄ると、ぽんと頭の上に優しく手を置いて。
「ようやった思うで? ほら、これ」
差し出された兎のぬいぐるみをじっと見つめた後、受け取る。それから、続いて遠慮がちに振り返り、ウルフを見つめて。
「……ったく」
ウルフは面倒臭そうに歩み寄ると、不意にルーティの額を小突いた。
「わ、」
「情けない顔すんな。……あれだろ」
ウルフはふいと顔を背ける。
例え勘違いでもルーティには何となくその先が読めたのか、小さく笑みを溢して。
「うんっ……!」