第六章



「では、ルールの説明をします」

背が低く、面積の広い水槽の前にルーティとローナが並んだのを確認してから、リンクは勝負のルール説明を始める。

「制限時間は三分、多くの金魚を掬った方が勝ちです。色や大小は問いません」
「破れたらアウトだよねぇ?」

ローナが訊ねる。

「……そうですね」

わざわざ聞いてくる辺り、例えポイの紙が破れたとしても策があるのだろう。

「その時点で終了とします」
「なーんだ」

ちえ、とつまらなそうに返す辺り、リンクの判断は正しかったらしい。

「……では。準備は宜しいですか?」
「よぉーし! 負けないかんね!」
「こっちだって!」

悪くない雰囲気である。

リンクはくすっと小さく笑みを溢して、袖を捲った。腕時計の針が、ゆっくりと時を刻んでいる。八、七――頭の中で数えて。

「三、二、一……始めてください!」
 
 
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