第一章
リンクが話を終えると、ルーティは早速ウルフの手を引きながらエスカレーターへ。
服のコーナーは大抵二階にある。水着から見ようか、それとも浴衣か……ルーティが考えていると、エスカレーターのアナウンスを聞いたウルフがふんと鼻で笑って。
「なるほどな。……確かにここは、餓鬼は保護者同伴が必須らしい」
間もなく、二階に辿り着いて。
ルーティはどっちか迷った末、水着のコーナーへ。男の場合、水着はバリエーションが少ないので意外と早く決まるのだ。
「ウルフはどれにするっ?」
しかし、服の買い物は決まって女性陣に任せていたから、自分で選ぶというのは久しぶりだ。ルーティはウルフを見上げて。
「海か?」
「そっ。入るでしょ?」
まさか、泳げないことはないだろう。
猫ならともかく、狼なら犬科だし犬掻きくらいは……あまり見たくない光景だが。