第一章
……何はともあれ。
「おぉー! ひっれぇー!」
誰一人干からびることなく、無事デパートに辿り着いた。それはもう、水を得た魚のように子供組は元気に走り回って。
「こらっ、トゥーン!」
「あかんあかん! 餓鬼は保護者同伴! 勝手にうろちょろしたらあかんて!」
デパートに入ってすぐのホールは涼しく、故にはしゃぐトゥーンをリンクが、ディディーをドンキーが手早く捕らえて。
「ちぇー。わぁーったよぅ」
「全く。……では皆さん」
リンクはトゥーンを解放すると。
「いいですか? 買う物が決まりましたら、無線で王族の誰かを呼んでください。支払いが済んだら、此方が輸送しておきますので後は各自自由行動ということで」
人差し指を立てて、にこやかに。
「夕飯には遅れないように。解散っ!」