第一章
現在地、レイアーゼ繁華街。
ルーティとカービィは、任務で既に振り込まれているはずの報酬金を引き出すべく、銀行を見つけるとそちらへ向かって。
自動ドアの前に立ち、間もなく開いた。
パンッ
銃声。ルーティとカービィ、硬直。
「動くな! 手を挙げろ!」
黒いマスクを被った男が、拳銃を片手に受付嬢に迫っている。もう一人の男は、天井に向かって発砲し、客を威嚇。
「きゃああ!」
「騒ぐな! さっさと金を出せ!」
典型的な銀行強盗である。コテコテすぎる演出に、ルーティは苦笑を浮かべて。
「あはは。……どうしよ」
カービィは小さく溜め息を洩らし。
その時、唯一両手を挙げずに入り口で立ち尽くしているルーティとカービィに気付いた男が、直ぐ様銃口を向けて。
「こら! そこの二人! 実弾だぞ! 撃たれたくなかったらこっちに来い!」