第六章
棚は三段。それぞれ大きさの異なる景品が十個ずつ並べられているが、法則性はないようで。ファルコはふっと笑って、
「見易いじゃねえか」
ウルフは続けて。
「制限時間なんざ必要あるかよ」
不穏な空気が漂う。ウルフとファルコは銃を構えると、にやり。声を揃えて。
「すぐに終わらせてやる」
マリオとルイージは顔を見合わせ、頷く。
「それでは」
「射的対決、始め!」
開始の合図と同時にウルフもファルコも、初めに狙ったのは一番上の棚に堂々と居座る、大きな兎のぬいぐるみだった。
両者、狙い撃ち――しかし。
「なっ!?」
声を揃える二人。それもそのはず、計二発を同時に撃ち込んだのに兎のぬいぐるみはびくともせず、居座り続けて。
「当たり前だろ」
フォックスは呆れたように。
「鉛玉じゃないからな」