第六章
ネロとリムが暫く歩いていると。
「やってやろうじゃねえか」
どすの利いた、この声は。
「ウルフ、やめなって!」
「ファルコも大人気ないだろ」
「るっせえ!」
射的屋。ネロとリムが向かってみると、そこには案の定、ルーティがウルフを、フォックスがファルコを留めていて。
「ちょっとちょっと。何の騒ぎよ?」
「リム!」
ルーティとフォックスは声を揃える。
「聞いてよ、ウルフが!」
「いや言い出したのはファルコで」
「落ち着けって」
ネロが呆れ顔で宥めると、ルーティはフォックスを見上げ、フォックスは頷いて。
「……実は、成り行きでな。射的で、どちらがどれだけ景品を撃ち落とすことが出来るかって口論になって、それで」
フォックスは溜め息。
「後悔しても知らねえからな」
「上等だ!」
「とまあ、こんな感じで」