第六章



つっても、何を話しゃいいんだ。

リムと並んで歩きながら、ネロは何か話題が無いものかと苦戦していた。とりあえず、このままでは視界が狭いのでお面をずらし、顔を出す。ふと、リムを横目に、

「つか……ピチカは」
「えっ」

人混みの中でぼそぼそと話されても聞き取りづらく、リムは怪訝そうに見つめて。

「だから。何で、あいつらと」

そりゃあ同期だけどさ。でも、だからといって常日頃一緒じゃ面白くないつーか……

「ネロ」
「な、何だよ」
「焼いた?」
「べっ別に妬いてなんか」
「じゃあ日焼け止め塗り忘れたのね」

リムの返しでようやく、ネロは自分との会話が噛み合ってないことに気付いて。

「……妬いた」
「やっぱり焼いたのね」
「ん」

ネロはふいと顔を背ける。
 
 
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