第六章
一方のネロはというと、お面を付けているので分かりづらいが、先程からリムに注目していて。彼の視線に気付いたリンクとドンキーは顔を見合わせ、頷く。
「立ち止まってちゃ暑いですね。行きましょう、あっちに焼き鳥がありますよ」
「あー、暑い暑い。腹も空いたしなー」
リンクとドンキーはリムの元を離れ、並んでさっさと歩き出す。レッド、ローナ、シフォンもそれとなく察したのか、
「次はあっちに行くぞぉー!」
「待ちなさいな。そそっかしい」
「お前らっ」
「ネロ」
レッドは振り返って、
「迷子にならないようにね」
ネロは言葉を詰まらせていたが、再びリムに目を向けて。肝心のリムはというと、特に気にしてないのかネロを見つめて。
「……何よ」
「いや、別に」
「立ち止まってたらもったいないわよ。祭りなんだし。ほら、屋台回りましょ」
「い、一緒にか?」
リムは短く息を吐き出して。
「当たり前でしょ」