第六章



一方のネロはというと、お面を付けているので分かりづらいが、先程からリムに注目していて。彼の視線に気付いたリンクとドンキーは顔を見合わせ、頷く。

「立ち止まってちゃ暑いですね。行きましょう、あっちに焼き鳥がありますよ」
「あー、暑い暑い。腹も空いたしなー」

リンクとドンキーはリムの元を離れ、並んでさっさと歩き出す。レッド、ローナ、シフォンもそれとなく察したのか、

「次はあっちに行くぞぉー!」
「待ちなさいな。そそっかしい」
「お前らっ」
「ネロ」

レッドは振り返って、

「迷子にならないようにね」

ネロは言葉を詰まらせていたが、再びリムに目を向けて。肝心のリムはというと、特に気にしてないのかネロを見つめて。

「……何よ」
「いや、別に」
「立ち止まってたらもったいないわよ。祭りなんだし。ほら、屋台回りましょ」
「い、一緒にか?」

リムは短く息を吐き出して。

「当たり前でしょ」
 
 
14/38ページ
スキ