第六章
「あっ、テディベアだー!」
ちょうどディディーが屋台のおじさんから景品のテディベアを受け取っていると、気付いたピチカが駆け寄ってきて。
「や、やるよ」
ぐいと突き出すディディー。
「え、でも」
「うっせ。男はあれだ、ぬいぐるみなんかより……そう、プラモ派なんだよ」
景品にもそういう類いの物はあったというのに。リンクとドンキーは顔を見合わせると、思わず、小さく笑みを溢して。
「えへへ、ありがとっ」
無邪気に笑うピチカに、ディディーはもう頬を赤く染めて背を向ける。トゥーンはそれがつまらないのか少しむすっとしていたが、ピチカの腕を唐突に掴んで。
「わっ」
「あ、あっち。ヒューストンやろうぜ」
「てめ、トゥーン!」
ピチカを無理矢理連れていくトゥーンを、ディディーは慌てて追いかける。
「嫌ですねぇ、お熱いこと」
「夏やからなあ」
「何の話よ」
話が掴めず、リム、ジト目。