第六章



「っぐふ!?」

その時、何故か輪っかがロイの顔面に衝突。ロイは情けない声を上げて。

「あれ?」

首を傾げたのはトゥーンである。

「何ですか、今のは」
「兄ちゃん……輪っかがこう、ブーメランみたいに戻った」
「逆に凄いわ。景品ないけど」

さすが、普段から大乱闘でブーメランを投げているだけのことは……って。

「ねえよ!」
「はは……」

ピットが苦笑していると、

「あら。ちゃんと楽しんでるのね」

現れたのはリムとピチカである。

そう言う彼女だって綿菓子を持ち、隣に並んだピチカに限っては猫のお面を頭に付け、右手には団扇、左手にはりんご飴。

「ぼちぼちですよ」
「子供のお守りはほんま骨が折れるわ」

にこやかにリンク、そして肩を回す仕草をしながらドンキーが続けると、リムはくすくすと小さく笑みを溢して。
 
 
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