第一章
「食べ終わった?」
その時、誰よりも早く食事を終えていたカービィが、ひょいと後ろから覗き込んだ。
ちょうど食べ終わったルーティは笑って頷き、皿を重ねながら立ち上がる。
「じゃあ僕達も今からデパート行こっ!」
「え、デパート?」
きょとんと小首を傾げるルーティ。
すると、皿を片付けて現れたデデデがカービィの肩に腕を掛けながら、得意気に。
「なぁに、金のことなら心配するな! 俺はこれでも、一国の王だからな!」
頼もしいが、それでいいのか。
心の中で密かに突っ込みつつ、先に皿を手に流し台へ向かうウルフの後を追いかける。皿を片付け、ダイニングへ戻る途中。
「ウルフも一緒に行かない?」
「……ああ」
やはり、集団行動は好かないのだろうか。
あまり乗り気ではなかったが、ウルフは短く息を吐き出すとぷいと顔を背けて。
「そうだな。……暇潰しに行ってやるよ」