第五章
「黒豹のお兄さん、格好良かったなぁ」
きらきらと瞳を輝かせているところ悪いが、そいつは恐らく女たらしだぞ。
と、ウルフは心の中で密かに突っ込み。
「ねえ、どうしたの?」
フォックスも、ファルコも、ウルフも何故か表情が引き攣っている。ルーティが怪訝そうに訊ねるも、フォックスは苦笑。
「いや、別に。なっ? ファルコ」
「俺に振るなよ」
――外出には気を付けよう。
珍しくも心の中で、一致する三人の意見を外野のルーティが知るよしもなく。
「……仲間外れだ」
一人、頬を膨らませるのだった。
「そういえば」
トゥーンは思い出したように、
「兄ちゃん達は?」
そういえば、帰ってきたら一番に出迎えそうなのに来なかったな。確かにそうだ、と子供達が揃って見回していると。