第五章
リビング。子供達はソファーに腰を下ろし、タオルで髪を拭きながら事情を説明。
「そりゃあ災難だったな」
雨に濡れたので体が冷えて風邪を拗らせては大変だ、と気を利かせたフォックスは子供達にそれぞれココアを煎れたカップを配って。ディディーは受け取りながら、
「でも、凄かったんだぜ? 悔しいけど」
ココアを一口、飲んでから。
「……格好良かったし」
トゥーンもこくりと頷いて、納得。
絶賛という程でもないが、そう言われては詳細も気になる。ファルコはにやにやと笑いながら、ネスとリュカが座っているソファーの背凭れに腕を掛けつつ見下ろして。
「どんな奴だったんだよ」
よせよ、とフォックスが小突くが、ディディーはカップを見つめながら。
「……最初に助けてくれた人はピンク色の髪でさ。関西弁で喋ってた」
ぴくり、フォックスの狐耳が反応を示した。何となく、知っているような気がしたのだ。……恐らく、気のせいだろうが。