第五章
畜生。何なんだ、あの連中は!
「くそっ!」
大柄の男は取り巻きの男を引き連れてスーパーマーケットから少し離れた位置にある、パーキングエリアに立ち寄っていた。
苛立ちが治まらないのか、自販機を強く蹴り付けて八つ当たり。こういう時、放っておくのが一番だと男達は知っている。
「……ああ?」
と、そこへ現れたのはリンク達である。
ざあざあと雨が降り頻る中、じっと男達を見据えて。大柄の男はズボンのポケットに両手を突っ込んだまま、睨み付ける。
「先程は子供達がお世話になりました」
訊ねるよりも先に、答えた。
「あんたらの餓鬼か」
「ええ。俺達は言わば、保護者です」
にこやかに告げるリンクに、苛立ちが増していく。大柄の男は片手を挙げた。
打ちのめせ、の合図。
「手荒ね。やんなっちゃうわ」
「何を言う! 激しい方が私は好きだ!」
「黙れ」
男達に取り囲まれようが、彼らは動じない。何より、発言の割に目が笑っていない。
決して、許してはいないのだ。
「俗にゆう制裁っちゅーヤツ?」
「まさか」
訊ねるドンキーに、リンクは笑って。
「大人の対応、というやつですよ」