第五章
「……あかんな」
武器を使われてしまっては。
いよいよ自分達の出番か、と踏み出そうとしたドンキーを制したのはリンクである。
「待ってください」
「お前、状況見えとんのか」
「俺達の出る幕はありません」
「そうだ」
リンクの意見に賛成したのはユウ。
「貴様は今まで、何を見てきたんだ」
暫しの沈黙。ユウはリュカを捕らえた男に揃って注目する黒髪の男、そして長髪の男をそれぞれ見据えては目を細めて。
「確かに、敵に武器を使用されてはしていない側が不利だ。相手が“一般人”なら」
ドンキーは目を丸くして。
「様子を見守りましょう」
「リム、あんたまで」
「分からないの?」
リムはドンキーを見遣って。
「彼ら二人で十分だって言っているのよ」
――その言葉の意味を理解した時、ドンキーは妙な胸騒ぎを覚えて息を呑んだ。