第一章



「バカンスだなんてひっさしぶり!」
「わくわくするねぇー!」

食事も終盤に入ると、やはりバカンス云々の話題で辺りは盛り上がって。リムとピチカは皿を片付けながら、楽しそうに。

「ちょうど休みだし、私達は水着や浴衣を新調しとかなくちゃね!」
「海水浴に夏祭り! 楽しみぃー!」

こうして端から聞いていると、やっぱり休暇を取って良かったなとルーティは思う。


――ちなみに、蒼の孤島アクエスは南半球に浮かぶ小さくも美しい、常夏の島。

主に海水浴が売りではあるが、特にこの時期は祭りを一週間置きにやっているお陰で、観光客で賑わっている。

海を荒らさない為に船着き場は無く、交通手段は飛行機のみ。それ故に航空料も馬鹿にならないだろうに、リンクときたら。


権力と財力の乱用だな、うん。
 
 
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