第五章
「あらやり過ぎやで」
もちろんその様子を車の影に隠れ、リンク達は見張っていた。もう我慢ならないとリムが飛び出そうとするも、リンクがその腕を掴んで。リムは振り返り、
「リンク!」
「しっ。気付かれますよ」
「今はそんな場合じゃ」
「こんな場合だからこそ、です」
リンクは小さく息を吐き出して。
「彼らだって今はまだ子供でも、立派なX部隊ですよ。戦士でありながら、最悪な状況を乗り越えられなくてどうしますか」
確かに、そうかもしれない。
が、それにしたって荷が重すぎる。特殊能力を使ってはいけないというルールがここに来て足を引っ張っているのだ。
「視姦プレイとは……なかなかだな」
「ふざけている場合か」
「私はいつだって本気だぞ!」
「死んで詫びろ」
こんな状況だというのにユウとリオンはこの調子だし。リムは溜め息を吐き出して。
「……あと五分」
小さく、口を開く。
「五分で、戦況が変わらなくて……悪化するようなら、その時は」
「分かってます」
リンクは目を細めて。
「俺達も、大人ですから」