第五章



「何や、心配して損したわ」

無事、支払いを終えて篭を移動させては袋に商品を詰める子供達を遠目に、ドンキーはぽつりと呟いて。遅れて駆け付けたリンクも、ほっと胸を撫で下ろす。

「そのようですね」
「よく言うわ。大変だったのよ?」

リムは小さく溜め息を吐き出して。

ユウとリオンはそそくさとカウンターから出てくると、服を交換した男の元へ。

「あれ。もう飽きたんッスか?」

男は呑気にも壁に凭れ掛かりながら持参した携帯型ゲーム機で遊んでおり、近付いてきた二人に気付くと顔を上げて。

「なかなかの自制プレイだった……」
「はぁ」
「気にするな。さっさと着替えろ」

ユウがリオンをトイレ側へと押し遣ると、男は何故だかつまらなそうに溜め息を吐き出して。のろのろとその後を追い。

――あれが店員とは似つかわしくないな。
 
 
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