第五章
「お会計、七千三百十一円になります」
無駄に高い。
「おい。何を買っているんだ」
「菓子が大半を占めているな……」
リオンは商品を全てレジに通し終えると、篭の中身を見つめて。買いすぎるなと言うべきだったか、とユウは後悔。
「えーと」
「貸せって! 俺がやるっ」
ショルダーバッグから財布を引っ張り出し、お札を取り出そうとするネスから財布を奪い、ディディーは一旦背を向けて。
「ふっふっふ……」
リオンが疑問符を浮かべていると、ディディーは振り向き様にある物を取り出した。
「カードでっ!」
黒のクレジットカードである。
見るのは二度目だ。確か、水着や浴衣を買う際にピーチやマルスが乱用していたから。とはいえ残念ながらここでは使えない。
「すみませんが、現金払いで……」
「ちえー」
――子供達は疎か、ユウやリオンでさえ気付かなかった。その時向けられていた視線と、その人間らの不適な笑みに。