第五章



「本当に大丈夫かしら……」

魚や肉の置かれたコーナーで心配そうにうろうろしているのはリムである。

するとその時、調味料のコーナーから子供達が出てきて。リムは咄嗟に雨合羽で顔を隠したが、何故かディディーがいない。

「トゥーン、ディディーは?」
「あ。そういえば」

何やってるのよ!

こんな所でX部隊のメンバーが迷子だなんて、世間の笑い者だわ! 話し声を耳にしたリムが一人で頭を抱えていると。


「どけどけどけぇー!」


この声は。

リムと子供達が同時に振り返ると、遠くの方からショッピングカートに乗りかかったディディーが物凄いスピードで。

物凄い、スピードで……こっちに。

むっ向かってきたぁぁぁ!?
 
 
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