第五章
「ごっごめんなさい! 大丈夫ですか?」
ひょいと顔を覗こうとするピチカを避けるように顔を背け、繰り返し頷いてみせる。
「あっぶねー……」
「そりゃこっちの台詞だっつの」
ネスとリュカの助けもあってどうにか体勢を立て直し、一息。目的の商品も手に入れたので、トゥーンはその場に屈んで。
「っと」
その間にディディーはトゥーンの上から下りるとドンキーの前に回り込み、
「お兄さん、怪我は?」
こっちの台詞や。
「あ……ありません」
首をどう振ろうが答えたことにはならないので、やむを得ず口を開いたが少しばかり鈍ってしまった。トゥーンは肩を回して凝りを解すと、ぐっと腕を伸ばして。
「お兄さんありがとな! よし、次っ!」
「もう。次は気を付けてよねっ」
立ち去る子供達に、ほっと一息。