第五章
「……いいか?」
「お、おう」
その場に屈んだトゥーンの首後ろから跨がり、頭の上に両手を添えて頷く。
「いくぜ。せーのっ!」
勢いよく立ち上がるトゥーンだったが、やはり子供とだけあって足腰も強くなく、前方にふらついて。慌てて、両側からネスとリュカがトゥーンを支える。
「っとと……わりぃな」
「危なっかしいなぁ」
「気を付けてね」
謝るトゥーンに、ネスとリュカは口々にそう告げてそっと離れる。ふぅ、とディディーは小さく息を吐き出してひと安心。
「店員さんに頼めばいいのに」
「絶対やだ!」
口を揃えるディディーとトゥーンに、ピチカは「はいはい」と呆れ顔。……まっ。
好きな子には格好ええとこ見せたいしな。
「っと」
ドンキーは慌てて顔を背けて。
――リュカの奴、事あるごとに振り返ってきよる。後ろに目でもあるんとちゃうか。