第五章
一方、此方は調味料や缶詰め等が並べられたコーナー。ここでは、適当に商品の裏面を眺めながらドンキーが待機。
――おお、来た来た。子供達は近くにいるにも関わらず、ドンキーとは気付かずに調味料が並べられた棚をじっと見上げて。
「で、どれ取るんだ?」
「えっとねぇ……あっ、佐藤 俊夫!」
今、なんて?
「誰それ」
「さとっ……砂糖と塩じゃんか」
ニュアンスの問題だったか。
試しにメモを覗き込んだトゥーンが言い直すと、「それそれ」とピチカは笑って棚を見遣る。すぐに目的の物は見つかるも、
「……あー」
五人は揃って声を洩らして。
何だその気の抜けるような声は、とドンキーが振り返るも、すぐに意味を理解した。